よんどころない事情で、緊急帰国。まあ、ほとんど移動時間だったけど。なので、そのときに読んだ本のメモでも

続近世畸人伝 (中公クラシックス)

続近世畸人伝 (中公クラシックス)

正篇より読みやすくなっている気がする。ただ、ワンパターンになってしまっている部分もあるかも。古物紹介が正篇にくらべて少ない印象を受けるが、それも残念。

ちんちん千鳥のなく声は (講談社学術文庫)

ちんちん千鳥のなく声は (講談社学術文庫)

鳥声を日本人がどう聞いたか、の歴史。面白い。「ほろろ打つ」、のホロロが雉のはばたきを表す音だとはじめて知った。以前ある授業でうまく説明できなかったな、これ。あと、雀の鳴き声、シウシウが『千字文』の「秋収」をかすっている云々のくだりもよかった。『蒙求』をさえずる雀となにか関係があるのか。雀の学校もそうだが、この鳥は、なにか学生のイコンになっているということか。
ただ、一般向けを意識しすぎているのが……、もうちょっと語学の徒に向けた書き方でもよかったのではないか、という気がした。個人的に亀井孝の鳥声関連の論文を意識しながら読んだので、一般向けの書き方が、おれにはあんまりしっくりこなかった。まあ、もとになった論文の方を読めばいい話なんだろうけど。